2021.03.26(金)
【10秒解説】避雷針の耐用年数
今回は避雷針の耐用年数について解説します。
目次
避雷針の耐用年数はどのくらい?
一般的に避雷針は10年以上の年数は使用できます。
また、減価償却における法定耐用年数は15年ですが、実際は「法定耐用年数=寿命」ではなく、15~20年ぐらい保つものがほとんどでしょう。
しかし、これは毎年避雷針のメンテナンスを行い、必ず異常が発生していないか点検をするなど適切な運用をした場合です。
また、塩害地域など運用環境によっても異なります。
※尚、避雷針の年1回以上の点検は日本工業規格(JIS)にて定められています。
毎年点検を行っているからといって、必ず全ての落雷被害を防げるわけではありませんが、
点検を怠ると法定耐用年数より短くなってしまったり、落雷が発生した時に正常に機能しなかったり、落雷被害の軽減に貢献できなかったりする可能性が出てきます。
避雷針の仕組みはどうなっている?
避雷針が一般的に10年以上使用できることは分かりましたが、どのように避雷しているのかご存じでしょうか。
簡単に説明すると放電することによって雷を集めているんです。
コチラの記事では、さらにもう少し詳しく解説しています。ぜひご覧ください
経年劣化するとどうなってしまう?
あらゆるものが時間が経つにつれて古くなっていくのと同様に、避雷針も経年劣化を防ぐことはできません。
避雷針の設置環境や機種などによっても異なりますが、どんな避雷針にも寿命があります。
経年劣化が進むとどういった症状が出るのか、知っておきましょう。
全体的な錆
避雷針は屋外に設置されているため、繰り返し雨に打たれているうちに全体的に錆が出てしまいます。
元々ある程度の錆は想定して建てられてはいますが、錆びた部分から腐食が進むと避雷針が途中で折れてしまったり、付属部品が外れてしまうことも珍しくありません。
そうなると本来の効果が発揮できなかったり、人的被害が出るほどの大事故に発展したりする可能性があるため非常に危険です。
接続部の緩みや破損
雨だけが劣化の原因というわけではなく、避雷針は風や太陽の影響も受けます。 ある程度の風であればそこまで影響はありませんが、強風が続く冬場などは特に接続部の金具などが緩みやすくなります。
反対に気温の上がりやすい夏場は日射の影響が大きく、ケーブルやパイプ部分などが破損するケースが目立ちます。
断線の可能性
長い期間使用することにより、雷の誘導線が劣化してしまうことも考えられます。
そうなると「電流を安全に地表に流す」という本来の避雷針としての役割を果たすことができず、建物の中にいても落雷の影響を受ける可能性が高くなります。
寿命を迎えていない避雷針は安全?
では、避雷針を設置してからまだ何年も経っていなければ絶対に安全か、と言えばそうではありません。
真新しい避雷針であっても、落雷があった際に避雷針の近くにいて負傷した、避雷針があるはずなのにパソコンがショートした、などといった雷トラブルが跡を絶たないのが実情です。
避雷針はあくまでも安全対策の一つであり、それさえ設置すれば雷の被害には合わない、というものではないのです。
そもそも避雷針は自ら雷を誘導して、雷のエネルギーを受け取る仕組みとなっています。
そのエネルギーが大きすぎれば、周りに何らかの影響が出ることは明らかでしょう。
また、メンテナンスを十分に行っていない場合は特に注意が必要です。 避雷針は常に雨風にさらされていることもあり、思いもよらない劣化が見つかるケースが多々あります。
個人で点検するのは難しい場所に設置されていることがほとんどなので、専門業者に依頼して定期的にメンテナンスを行いましょう。
通常、避雷針の耐用年数は10年以上
毎年のメンテナンスや、運用環境(塩害エリア)、何度か落雷を受けるなど、条件によって消耗具合は変わってきますが、一般的に避雷針は10年以上使用できます。
しかし、それは適切な運用をしている場合の話です。
JIS規格に則って毎年定期点検を行い、万が一の事態に備えておきましょう!
弊社でも避雷針の保守点検を行っております。全国いつでもご相談ください。
dinntecoJAPAN(ディンテコジャパン)では避雷針を扱っています。
避雷針設置に関してはコチラからご覧ください