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2021.06.24(木)

雷が発生する仕組み

大雨と中、突然雷鳴が響き渡ると驚いて不安に感じますよね。
しかし一方で「雷ってどうやってできているの?」と興味を持っている方もいるはず。
今回はそんな疑問にお答えすべく、雷が発生する仕組みについてまとめました。
雷について知りたい方もそうでない方も、ぜひ一度読んでみてくださいね。

 

 

「雷の素」とは?


料理に材料があるように、雷にも素となるものがあります。
そもそも雷は雲の中で発生しますが、当然どの雲でも雷ができるわけではありません。
雲の中に雷の素となる「静電気」が大量に発生した場合のみ、雷が発生するのです。

 

 

雷が発生する仕組み


では、なぜ雲の中に「静電気」が発生するのでしょうか。
より詳しい仕組みを順番に見ていきましょう。

 

 

湿った空気が上昇する


雲は、湿った空気が地表で暖められて上昇することで発生します。
空気が上昇するうちに小さな水滴となり、それらが固まって雲になるのです。

 

 

氷の粒


水滴は雲として大きな塊となりどんどん上昇していきますが、上昇すればするほど気温が下がり、水滴は少しずつ氷の粒へと変化していきます。
氷の粒はさらに上昇を続けるうちに大きくなり、今度はその重さに耐えられなくなり落下し始めます。

 


粒子の電荷がたまる


上昇する小さな氷の粒はプラス電荷、落下する大きな氷の粒はマイナス電荷を帯びており、雲の中では上側にプラス電荷、下側にはマイナス電荷の層ができてきます。
この状態が続くと雷を引き起こす「雷雲」となるのです。

 

 

「雷」として放電


雷雲となった雲の中では、氷の粒がぶつかり合うことで非常に強い静電気が発生しています。
その力が強くなり、いよいよ雲の中に溜めておけなくなって発生するのが雷です。
プラス電荷とマイナス電荷は引き合う性質がありますが、暗雲が低く立ち込めるような空模様の日は、上層のプラス電荷よりも地表に溜まったプラス電荷の方が近くなる場合があります。
そこで地表に向かって電気が放たれるのが「落雷」となります。

 

 

雷は予測できる?


あまり知られていませんが、全国の30ヶ所に雷レーダーが設置されています。
雲から発せられる電波を拾い、雷が発生しそうな位置や時間、大きさなどを予測するのです。
雷予報は気象庁や電力会社のHPで確認することができるので、もしもの時は活用しましょう。

 

 

季節ごとの発生源の違い

雷には、夏と冬の2種類があり、季節ごとによって発生源が異なります。 夏の雷は「夏季雷」と言い、上昇気流によって起こる雷です。

一方、冬の雷は「冬季雷」といい、冷たい季節風と対馬暖流によって起こる雷で、日本では、日本海沿岸と四国~松山海岸でしか発生しません。

季節ごとに違う雷の発生源について解説していきます。

 

夏の雷

夏の雷は、上昇気流によって起こる雷で「夏季雷」と呼ばれます。 日本の夏は山岳部東南の斜面が太陽に照らされ続けることで、上昇気流が強くなり、上昇気流が更に上昇することで地表と上空の温度の気温差によって形成されるのが入道雲です。

入道雲形成後、気温や空気中の水蒸気量などの一定条件が揃うことで夏季雷が起こります。

上昇気流によって起こる雷は「熱雷(ねつらい)」ともいわれ、夏季の代表的な雷です。 夏の雷は1度発生すると2~3日続き、北関東から南九州と日本の広い範囲で発生しやすい雷といわれています。

他にも、台風や低気圧によって発生する「渦雷(うずらい)」や、寒冷前線と温暖前線付近で発生する「界雷(かいらい)」などが存在します。

 

冬の雷

冬の雷は「冬季雷」といい、寒冷前線沿いに発生します。 日本の冬はシベリアから流れてくる冷たい季節風と、南西方面から流れてくる対馬暖流の暖められた水蒸気が日本海上でぶつかります。 冷たい季節風と暖められた水蒸気がぶつかることで発生する雲が、冬の雷で落雷と同時に降雪をもたらすのも特徴です。

冬季雷は夏季雷よりも、放電が長時間に亘り、エネルギーが大きいと言われており、60m超の高い構造物は集中的に落雷が起こります。 ただ、一発雷のため、1度放電されればしばらく放電しません。

冬季雷は世界的にも珍しい雷で、発生エリアは日本海沿岸と四国~松山間の海岸、ノルウェー西岸のみと言われています。

 


いくつもの条件が重なって雷が発生する


いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、雷の仕組みについてご理解いただけたと思います。
雲の中で静電気が発生し、大きくなりすぎた電気が放出されるのが「雷」。
その仕組みを知っておけば、いつもは嫌だった雷もまた違った見方ができるかもしれませんね。

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