2021.07.21(水)
落雷の種類による死亡率と被害の実態
落雷による事故は毎年のように発生しています。その数は決して多くはありませんが、インパクトが強くニュースでも大きく取り上げられることから、落雷被害を心配される方も多いことでしょう。本記事では、雷に打たれた時の死亡率について、落雷のパターンごとに解説しています。雷を正しく恐れるため、落雷死亡率が気になる方はぜひ参考にしてみてください。
日本と世界の落雷死亡率
1994年から2003年の警察白書によると、その期間、落雷の被害を受けた方は約100人ほどでした。そのうち、亡くなった方(行方不明含む)が約30人以上ということで、単純に計算すると死亡率はおよそ3割となります。雷に打たれた、あるいは落雷に巻き込まれるなどした場合、3人に1人くらいの確率で亡くなってしまうことが予想できます。また、海外の論文によると、アメリカでは毎年およそ30人の方が落雷を受けて亡くなっています。また、けがをした人も数百人にのぼります。
しかし、人に落雷する確率そのものはかなり低いと言えます。アメリカの海洋大気庁によれば、1年で人が雷に打たれる確率はおよそ77万分の1から100万分の1とされています。日本において、交通事故に遭って亡くなる確率は20万分の1とされていますから、雷に打たれる確率はそれよりも圧倒的に低く、“万が一”もないと考えられます。
直撃・側撃は高い死亡率
人が落雷を受けるパターンにはいくつかあります。もっとも想像しやすい「直撃」は、雷の主電流と呼ばれるものに直接打たれることを指し、「直撃」した場合の死亡率は70~80%とも言われています。雷撃を受けて亡くなる方のほとんどは即死となり、その大きな電流が体内を流れることによって心肺停止に至ります。
また、「側撃(そくげき)」という雷撃もあります。「側撃」は、樹木や人に直撃した雷が飛び移り、そのすぐそばにいる人も被害を受けることです。直撃に次ぐ高い死亡率であるとされます。
死亡率は低くても危険な落雷被害
落雷による死亡は、雷撃を直接受けることだけが原因ではありません。近くに雷が落ちた場合でも、不幸にも亡くなってしまう可能性があります。雷による爆風や、構造物の破壊による間接的な受傷なども考えられます。また、死亡に至らなくても意識障害が残ったり、熱傷(やけど)を負ったりするおそれがあります。
落雷死亡率は高いが人に落雷する確率は低い
いかがでしたでしょうか。日本で報告されている落雷被害の中で、亡くなられた方の数はかなり多い印象を受けたかもしれません。しかし、雷に打たれる確率そのものは決して高くありません。雷の恐ろしさを知った上で、正しく対策をすることが大切です。
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