トップページ  > コラム記事一覧 > 避雷針の素材とは

2021.07.21(水)

避雷針の素材とは

「避雷針はどんな素材でできているのだろう?」

こんな疑問をお持ちの方は多いでしょう。

 

避雷針に関する情報は専門的な内容が多く、どのような素材でできているのか、またどんな役割を果たすのかは意外と知られていません。

 

以下ではさまざまな建築物に設置されている避雷針について解説しています。

雷対策に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

避雷針の主な素材は「銅」

避雷針にはさまざまな種類がありますが、その多くが「銅製」です。

突針の先端部分のみ異素材を用いており、「クロームめっき」または「金色めっき」を施した製品があります。

 

※めっきとは、物質の表面に金属などで膜を張った素材全般です。

 

クロームめっきはクロムという金属で加工しており、色は銀色でサビに強い性質があり水道蛇口などによく用いられています。

一方、金色めっきは本物の金を使用するとコストがかかるため、色だけを金色にした合金のめっき素材のことです。

 

本体部部は銅製のものが多いですが種類によっては「アルミ合金製」や「ステンレス製」の避雷針もあります。

 

 

避雷針の役目と雷の性質

建築物を建てる際には雷保護設備の導入を検討する必要があり、避雷針も欠かせない設備のひとつです。

避雷針の主な役目とは何でしょうか。

 

雷の仕組み

雷は突然現れるものではなく、いくつかの段階を経て発生します。
雷ができるまでの流れを、詳しく解説します。

 

仕組み1. 湿った空気が上空へ

天気予報などで「湿った空気」ということばを聞いたことがあるでしょう。
湿度の高い空気、という意味ですが、この湿った空気が地面の熱によって暖められると、どんどん上空へ上がっていき、上昇気流となります。
それらが水滴になり、固まったものが雲です。

 

仕組み2. 氷の粒が発生

上空へ行けば行くほど気温は低くなり、雲の中にある水滴は、上空の空気に冷やされて氷の粒へと変化します。
大きさも徐々に大きくなり、重さに耐えられなくなると、上昇気流として上がっていた氷の粒が、今度は重力に負けて下降し始めます。

 

仕組み3. 静電気が発生

重くなって下降する氷の粒と、上空へ上がっていく氷の粒がぶつかり合い、静電気が発生します。
この時、小さな粒はプラス電荷、大きな粒はマイナス電荷をそれぞれ帯びているのがポイントです。
静電気を帯びながらも氷の粒は動き続けるため、必然的に雲の上部にはプラス電荷、下部にはマイナス電荷が溜まることが分かるでしょう。
この状態が長く続くことで、雷を生み出す積乱雲が発生するのです。

 

仕組み4. 地面との引っ張り合い

もともと静電気には、プラスとマイナスが強く引き合う力があるため、上空のマイナス電荷に誘導されて地面にはプラス電荷が集まります。
それらが引っ張り合いを始め、そのパワーに耐えられなくなった時に放電され、雷となるのです。

 

避雷針は雷を集めて逃す役割

避雷針は¨雷を遠ざけるもの¨というイメージをお持ちの方も多いのですが、実際にはその逆で、¨雷を避雷針に集める¨仕組みです。

主に建築物の屋根や屋上に設置され、銅製やアルミ製の避雷針で雷による電流を一ヶ所に集めて、そのまま地面まで流し放電します。

こうして雷の道筋をコントロールすることで、他の場所に雷が落ちることを防ぐのです。

 

雷による強い電流を一か所に集めることになるので、避雷針の素材には強度と安全性が求められます。

 

雷は高く尖ったところに落ちやすい

雷の主な性質は、高くて尖ったところや電気を通す金属にも落ちやすいと言われています。

身近なものだと、傘やゴルフクラブを持っていると雷が発生した際には危険が及ぶ可能性があるので、雷発生時には手にしないほうが良いでしょう。

 

こういった雷の性質を利用して、最も高いところへ、尖った避雷針を設置することでそこに雷を集め、落雷の被害を最小限に抑えられるのです。

 

避雷針が設置されていれば大丈夫?

避雷針の近くにいれば安全か、というとそうではありません。


そもそも避雷針とは、一般的に建物の一番高い位置に作られている、雷対策用の設備です。
自ら誘導して雷を受け、電流を安全に地中へ流す役割があります。
しかし、その避雷針は雷を受け止めはするものの、雷の威力によっては周りに電流が飛び移ってしまうこともあるのです。


当然のことながら、雷と避雷針にはかなりの距離があり、その間は雷が空気中を通ってくることになります。
通常の静電気であれば接点でパチッと放電されるレベルですが、威力の強い雷が空気中を通るとなると、周りに及ぼす影響は計り知れません。


中には避雷針の周りが安全だと判断した結果、放電によって死亡した事故も起きているため、落雷を予測したら、ただちに建物の中に避難しましょう。

 

避雷針は金属でできた丈夫な雷保護設備

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで避雷針の素材についてご理解いただけたと思います。

雷の性質に合った金属製(銅製)の避雷針があれば、うまく雷を逃すことができるでしょう。

dinntecoJAPAN(ディンテコジャパン)では避雷針を扱っています。

避雷針設置に関してはコチラからご覧ください

関連記事