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2021.07.21(水)

雷が落ちやすい条件や環境とは

ゴルフ場や畑での被害のほか、音楽イベントの会場など、落雷による痛ましい事故は毎年のように報道されています。雷は高いビルやマンションの避雷針などに落ちるイメージがありますが、落雷しやすい状況はそれだけではありません。本記事では、雷が落ちやすい危険な状況や特徴について解説しています。雷による危険を回避するため、正しい知識を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

雷は高いところに落ちやすい

雷は基本的に、高い建物や尖っているものに落ちやすいという性質があります。例えば、高層ビルやマンション、あるいは鉄塔や木といったものです。その性質を利用しているのが避雷針で、大きな針のような構造物に雷をあえて導くことにより、建物への落雷被害を防ぎ、安全に地面に雷が落ちる仕組みになっています。

 

雷は電気を通しやすいところを選ぶ傾向に

雷、つまり電気のもう一つの性質として、電気が通りやすいものを選んで流れる特徴を持ちます。そのため、電気を通しやすいとされる建物や木に雷が落ちやすいのですが、私たち人間もまた、電気を通しやすい性質を持っています。

 

 

人に雷が落ちるおそれのある場所

前述のように、高い建物や避雷針がある場合、人が直接雷に打たれる可能性は低いと考えられます。しかし、周辺に高い構造物などがない場面においては、人に雷が落ちやすい状況にあると言えるでしょう。

 

周囲に建物がない場面の具体例

  • ・学校のグラウンド
  • ・構造物や樹木がなくひらけたゴルフ場
  • ・周囲に樹木がない畑
  • ・海の上や屋外プール
  • ・河川敷や堤防

上記のような場所では、そこに立っている「人」そのものが一番背の高い存在になり、結果として雷の直撃を受けやすくなってしまいます。実際に過去には、部活動をしていた生徒や、農作業をしていた人、釣りやゴルフを楽しんでいた人などが雷に打たれ、死亡するケースもありました。このように落雷の危険がある時には、傘や釣り竿、ゴルフクラブといった細長く尖ったものは高く掲げず、速やかに避難することが大切です。

 

 

雷被害の事例 

過去に起きた落雷被害の事例を紹介します。 

 

1:野球部の試合中に落雷 2014年8月 愛知県扶桑町

愛知県の私立高校のグラウンドで、野球部の生徒が雷に撃たれて亡くなりました。 

当時、野球部は他校との練習試合をしていました。 

途中、雨が降ってきたため試合を中断。 

20分ほど経ったところで晴れ間が見えたために再開しました。 

しかし、直後、落雷が発生。 

光とともに大きな衝撃音が起こりました。 

 

このとき、ピッチャーマウンドにいた投手が落雷により死亡しています。 

当時、周囲で雷の音は聞こえていなかったといいます。 

また、このとき、愛知県には雷注意報だけで警報は出ていませんでした。 

しかし、たとえ晴れていても、積乱雲の範囲内であれば落雷の危険があるため、注意が必要です。 

 

2:ジョギング中の中学生に落雷 2012年8月 滋賀県大津市

8月18日午後4時ごろ、大津市の路上でジョギングをしていた男子中学生に雷が落ちました。 

生徒は意識不明の重体で病院へ搬送されました。 

付近の路上には、地面が5~10センチほどえぐれ、落雷の痕跡が残されていたといいます。 

現場は周囲を田んぼに囲まれたアスファルト舗装の農道。 

周囲に建物がない開けた場所での落雷あったといえます。 

 

 

3:河川敷で樹木に落雷 2013年7月 東京都北区

7月8日午後4時ごろ、荒川の河川敷で樹木に落雷が発生。 

木の下にいた男性3人のうち、1人が死亡。 

2人が負傷しました。 

男性らは中州で釣りをしていたところ、突然降りだした雨のため、木の下で雨宿りをしていました。 

 

4:体育祭の最中に落雷 2005年9月 福岡県直方市

9月10日、直方市の県立高校で体育祭の開催中にグラウンドへの落雷が発生しました。 

この日は朝から曇り空。 

夕方には雷注意報も出ていました。 

午後から雨が降り始め、土砂降りになったため、体育祭を一時中断。 

その後、雨が小降りになったため、競技が再開されました。 

 

しかし、集団演技の最中にグラウンド近くの森に落雷が発生。 

応援席にいた生徒ら10人が感電し、病院に運ばれました。 

この落雷は直接、グラウンドに落ちたものではありません。 

ですが、雨のためグラウンドが濡れていたことや生徒らが競技のため裸足になっていたことなど悪条件が重なり、感電を引き起こしました。 

 

 

5:野外ライブ会場への落雷 2012年8月大阪市東住吉区

8月18日午後、大阪市東住吉区の長居公園で落雷により2人が死亡する事故が起きました。 

当時、公園内では野外ライブイベントが開催されていました。 

午後からは大雨警報が出され、激しい雷雨に。 

公園内の樹木やテント付近で落雷が発生。 

10人が負傷して病院に搬送され、うち2人が亡くなっています。 

樹木への落雷では、木の下で雨宿をしていた女性2人が意識不明の重体になっており、落雷時に木の近くに非難するのが危険であることが分かります。 

 

 

雷は場所を選ばず落ちてくるもの

いかがでしたでしょうか。今回は、雷が落ちやすい状況を、具体例を交えながら紹介しました。雷が落ちやすい場所には幾つかの共通項がありますが、屋外であればどこであっても落雷を受ける可能性があります。本記事がいざという時、大切な命を守るための参考になれば幸いです。

 

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